いまネットで話題になってる「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」とその反応について。

 さすが受験戦争を勝ち抜いてきた官僚の皆さん、スライドの絵面、字面を整えるのは上手いよね。経済産業省としてこれを公表したことにも、意欲は感じられる。
 ただ、内容については・・・いろんな人達が既にネットで意見や感想を述べられているように「まだこの段階の話をしていたのか」がまず浮かんだ率直な感想。

 自分の想像としては、こんなことはとっくに各種統計データが分析され、議論もされて、この資料で述べているような総括もされて、今日のような社会の姿になってしまったのは何が問題だったのか、じゃあ問題を解決するためにこれから具体的にどうするかっていうことまで考えられているんだけど、色々な組織や過去のしがらみで提起しきれない、政治の壁で実行できないでいる、っていうのだったんだけどなあ。
 せっかく勉強してきたアタマを使って「2度目の見逃し三振はもう許されない」ドヤァ上手いこと言ったよね!とかやってると思うと、ちょっと寒いね。今年の夏は猛暑らしいけど。

 最初に述べたように経済産業省としてこれを出すって決めた時点で、色々批判を浴びることは覚悟の上でやっているのだろうから、このあとどうするかだよね。せっかくネットでも色々な意見・批判や罵詈雑言が出てきたのだから、それを吸い上げ取捨選択しつつ、自分たちの認識が遅れていたり間違っていたところは改めて、具体的解決策立案のほうに早く移行してほしいよね。

 ただ官僚は失敗ができない、失敗と認められないという組織的問題があるので、大きな戦略・戦術の変更はなく、ほふく前進継続なんだろうな。オレは貴方たちの作ったスライドでは「昭和の人生すごろく」をやってることになっている1970年代生まれでアタマは良くないけど、出る杭にはなったぞ。それなりに打たれたけど。経産省の若手の皆さんこそ、もっと出る杭になってほしい!何やったって批判する奴はいる。貴方たちは人気投票の結果でクビにされたりするわけではないのだから、正しいと思うことをどんどん進めてみて、上手くいかなきゃ何が間違っていたのかを切れるアタマで徹底分析し、修正すりゃいいじゃん。大事なことはサイクルの回転を速くすることだと思うね。

以下、反応の拾い読み。

「時代遅れのエリートが作ったゴミ」発言者に訊く!若手経産官僚のペーパーに感じた違和感とは。
#大上段から唐竹割りですわ。仰るように国や行政に箸の上げ下げまで心配されなくても良いわ!とは思うけど、それは自分が箸の上げ下げくらいは出来てるから言えることでもある。ステレオタイプに言うと、小さな政府で自由主義ってことになっちゃうのだろうけど。

経済産業省の次官・若手レポートとその反応を読んだ勢いで書いた雑文
#「これってMETIに限らず、役所が問題提起しちゃ、本当はダメな内容ですよね?では誰か。それは「政治」です。」そうですね。行政が自ら判断して実行に移したら暴走になってしまうのは理解します。過去はそれで戦争になったようなものだしね。だけど、問題提起とか「オレ達はこんな解決策を考えたぞ!」っていうところまでは、逆にどんどん公表して、政治家に理解させ議論させ判断させる材料は増やしたほうが良いと思うのですよね。問題提起や政策・施策の立案は政治の役割であって、行政はあくまで実行部隊である、という建前は分かるけども、じっさいはそうなっていないじゃない?建前の保持を頑張りつつ裏で官僚が国民に知られないようにひっそりと誘導したり骨抜きにしたり一部の政治家とつるんだり、っていうより、政治家と官僚が公の場でガンガン議論しつつ、SNSなどで有識者(国民)がガンガン横やりを入れつつってのが21世紀的で良いような気がするのですがね。

経産省「次官・若手ペーパー」に対する元同僚からの応答
#「力ある者が真面目な気持ちで危機を煽るとき、力なき者は自分の立っている地平を見失ってはならない」イヤほんとにそうですね。経産省スライドで書かれている「どんな人生の最期を迎えたいですか?」という問いかけは「あ、もしかして経済発展に寄与するようなことしてないけど社会保障にはガッツリただ乗りを続けようと思ってます?」に聞こえてきて、経産省の若手がそんなこと言い出してるのが、ちょっとコワくなってきたぞ。

経産省「次官・若手ペーパー」に対するある一つの「擬似的な批判」をめぐって
#最初に引用した渡瀬裕哉氏の記事を読んで「その通り!」と全面同意した方は、こっちも是非読むべき。掘り下げてます。

経産省若手官僚レポートは、ズルい 霞が関ポエムに踊らされてはいけない
#こちらもがっつり踏み込んでの、酷評です。「何が間違っていたのかを論じないまま、社会の問題を断じるのは卑怯である」これにつきるな。本当にアタマの良い奴の特徴は、謙虚で、自分の間違いを客観的かつ速やかに認めてどうすべきであったかを理解するですよ。

選択肢を理解する――経産省、若手・次官プロジェクト資料について
#だんだん話がアカデミックになってきた。社会学の見地からの論考。「おそらくこの資料に対する最初の賞賛的な反応の理由は、「AではなくB」という主張が明確に打ち出されたことにあったのだと思う」この点は仰る通りで、議論の入り口としてアリな資料だとは思いますね。だからこそ「Bと言うのであればそれを実現するための具体的な施策案をどんどん出して」と言いたい。それこそ社会への影響がどうなのか、実効性があるのかどうか、については有識者や専門家がまたそれを読んであーだこーだ言えばいいわけだし。

鈴木謙介氏の整理に沿ってーー経産省「次官・若手ペーパー」論(3)
#アカデミックでかつ、テクニカルになってきた。もうAとB-1~B-4の境界線の認識も混乱してきた。ただひとつ思ったのはB-1にある「セーフティーネットの拡充」っていうのは決して国家の歳入だけを頼りにやらなくてもNPOなどの市民社会活動をもうちょっとブーストかける政策でできないものかなと。詐欺や資金洗浄の温床になるようなアラが増えてはまずいけど、例えば企業に勤める人が副業で社会のセーフティネットになるようなNPO活動をしたらその収入は税金控除するとかさ。でもって、そうした社会貢献の副業を認めている企業は社員の活動実績に応じて何らかの税制優遇があるとかね。アメの設定の仕方次第で、民間企業なんてそれこそ利益がほしいわけだから機敏に動くと思うんだよね。

世代間対立は天唾。自分が70を過ぎた時に何を望めるんだろうか
#「どんなに詰めが甘くても議論の輪を広げることが重要だ。やるべきだと明らかになったことから、施策に落とし込む方法はいくらでもあるのだから」「長い目でみれば誰もが歳を取るのだから、老人批判なんか天に唾する行為でしかない」ですね。

 自分の仕事から目を背ける程度には興味深く追っかけることが出来た。この手の議論に終わりはないと思うのでまた興味深い反応を見つけたら都度追記をすることにして、いったん昼飯でも食うか。ああ、仕事を午後に寄せてしまったのは失敗だが、読みふけってしまったものは仕方がない。

Bリーグ公式HP

 TV放送の録画を、昨日やっと観戦。
 分裂し混迷していたバスケ界を川淵さんの豪腕で統合して創設したリーグ初年度としては、上手くいったのではないかと思うし、今後も期待できる。その象徴のような試合であった。

良かった点を自分なりにあげてみる。

  1. 試合内容そのもの・・・お互いにミスが目立つようなことはなかったし、接戦かつシーソー気味の得点経過であった。バスケットボールは野球やサッカーよりも点を取り合うペースが速いので、接戦になると観ていてダレることがない(もちろん大差がつくとつまらなくなるし、接戦でもお互いにシュートミスばかりしている試合だとつまらない)。流石にファイナルに来るチームだけに、シュートは上手いしディフェンスも上手い。チームカラーが好対照(川崎:オフェンス強、栃木:ディフェンス強)であったのも、長所短所を攻め合う意図がはっきりしていて良かった。
  2. ファン(ブースター)の応援・・・こちらもファイナルに来るようなチームなので両チームともブースターは多いのだが、特に栃木は、まさに地域密着が功を奏したこともあって地元を中心に熱狂的なファンが多い。クラブチーム経営のロールモデルのひとつであると言える(栃木人気の理由は田臥選手の功績も大きいのだが)。ファイナルの試合でも、観客席のかなりの面積が、両チームカラーのTシャツを着ているファンで埋まっていた。画面で観ていても現地の応援の楽しさが伝わってきて、次はたとえ自分の応援するチームが出場しなくても観戦に行きたいと思わせた。
  3. 会場のライティングとコートデザイン・・・開幕戦は世界初のLEDコートというものを用意して度肝を抜いたわけだが、純粋に観戦の視点で言うと(そしておそらくプレーする選手の視点で言っても)それほど観やすいものではなかった。このファイナルでは、コートはリーグカラーのモノトーンでカラーリングされており見た目と観やすさが両立されていて良かった。また開幕戦でもそうであったが会場全体のライティングを暗めに落としてコート上のみ明るめに設定しており、今までの日本のバスケでありがちな照明過剰の「体育館でやってます」感がなく良かった。
  4. TV中継のクオリティ・・・BリーグのTV中継はフジテレビが力を入れていて、開幕戦もフジテレビであった。まず実況の青嶋達也アナが良かった。ボリュウムを抑え気味にして、あまりバスケットボールを知らない視聴者のためにルールの説明や、各選手の過去の試合における活躍などをバランス良く織り交ぜていた。また中でも感心したのが「ここでこのプレーを選択したのは何故か」「この選手交代はどういう意図か」ということを良いタイミングで解説の方にふって解説を促していた。視聴者の裾野拡大や、視聴者が面白さを深められるようにしようという意図が明確で、好感が持てた。また少し地味な観点としては、これはBリーグ側の指定なのかも知れないが、画面に出す得点表示などスーパーのデザイン(特にフォント)が、視認しやすいし見た目も今風で格好良い。あと最後に重要な話として、バスケのことに興味がなさそうなタレント(特に某アイドル事務所とか)のゲストブッキングやショウ等がなかったことも非常に良かった。

次に、今後に期待したい点。

  1. ファイナルの複数試合化・・・NBAファイナルも7戦あることだし、せめて3戦で2勝とかにしてもいいような気がする。まあ1発勝負っていうのも緊迫感やプレミアムがついてこれはこれで良いのだが。もう少しリーグ全体の人気が高まって複数試合でも観客が埋まりそうなら、是非。
  2. 地上波TV中継増・・・視聴率が取れないとか、野球ですらやらなくなったのに、とか、スポナビライブ契約しろよ、とか色々あると思うが、やはり裾野拡大には地上波TVの力は絶大である。録画文化を見越して、深夜枠などをBリーグが買って各試合のダイジェストをやるとか、何か工夫はできないものか。
  3. TV中継時の解説表示の高度化・・・例えばスロー再生時に、解説の方がマーカーで画面上に印をしながら解説できるとか、エリア別シュート成功位置の表示ができるとか、NBA中継を参考に、TVならではの付加価値をつけていってほしい。
  4. 1万人規模の専用アリーナを・・・またハコ物を作るのかといった批判的な意見があるのは重々承知しているが、それでもやはりブースターの多い強豪チームであれば尚更、アリーナは持つべきだ。プロ野球で例えると、福岡ソフトバンクホークスのように、スタジアムを自治体などから借りるのではなく球団が持つことによって、スタジアムの広告収益、飲食やグッズ等の小売販売収益、他興行者への貸し出し収益などが見込める。ホークスは親会社である孫さんの会社からジャブジャブお金がつぎ込まれていると勘違いをしている人が非常に多いが、スタジアムを事業に組み込んだおかげで、かなりの黒字を球団単体で叩きだしている(スタジアムを買う金は孫さんが出したわけだが、ランニングコストを負担しているわけではない)。プロ野球の人気球団と、創設されたばかりのバスケットボールチームを比較するには事業規模やプロスポーツとしての歴史的経緯などが全く違うということも分かるが、大事なのはプロチームの事業にスタジアム運営やその収益を最大化して組み込めるようにすることだ。リーグ創設時に川淵さんが言った「夢のアリーナですよ。体育館ではない」という言葉を、早く具体的に実現するチームが現れてほしい。

 あと最後にいちバスケファンの素朴な希望として、ダンクシュートできそうなときはどんどんいってほしいね。そりゃNBAとは選手の体格や身体能力も違うし、プレーにおいて何を重視するのかも違うので、単純な話ではないのは分かるのだが、やっぱり分かりやすい派手なプレーを、特に外国人だけではなく日本人選手がどんどんやってくれると、観ていて楽しいし、ファンの裾野がもっと広がると思う。

公式HP(オリジナルドメインではないことにちょっと違和感)
IMDb
日本語Wikipedia(ネタバレ注意)

 通常スクリーン(字幕)とIMAX 3D(字幕)で鑑賞。ナンバリングではなく外伝だが、一部ではスターウォーズ史上最高傑作という声もある今作。観た感想としては「そうかも」。そしてほぼ確実にエピソード4~6をまた観たくなる、特にエピソード4は今作によって面白さが増したどころか、物語の深みまで増してしまった。

 いつものルーカスフィルムロゴから「Long time ago…(遠い昔遥か彼方の銀河系で)」で映画は始まるのだが、そのあとすぐに流れるタイトル&オープニングテーマとテロップが流れるところはなし。暫く導入部の物語が進んだ後、主人公ジン・アーソの育ての親となる、ソウ・ゲレラの印象的な台詞に続いてタイトル&オープニングテーマ。外伝だから意図的にパターンを変えたんだろうね。スターウォーズらしくないのだが、自分的にはこの始まり方は好きだな。それにしても今作は、音楽がとても良い。

登場キャラ・・・ほぼ全員かなりキャラが立っていて、いいね。個人的には孤高の反乱軍戦士ソウ・ゲレラと帝国軍脱走パイロットのボーディー・ルックを掘り下げるエピソードがもう少しだけほしかったところだが。

登場メカ・・・文句なし。エピソード4~6のあの直線的フォルム&モノトーンなメカ達が大好きで、1~3のカラフルな感じにちょっと違和感があっただけに、7が公開されたときに4~6の流れを汲むメカを観て少し溜飲を下げることができて良かったのだが、今回は4の直前の物語ということで、4~6で出てきたメカがこれでもかという位そろい踏みで、特にAT-AT大好きっ子としては、戦闘の最中に、盲目のチアルートが振動音で何らか驚異を感じて色めき立ち、その後にドーンと足が出てくる登場シーンはちょっと鳥肌ものであった。

ストーリー・・・素晴らしい4へのつなぎ。4でなぜデス・スターがあんなチンケな弱点を抱えていたのかというご都合主義までちゃんと説明つくようにしているところが素晴らしい。
 今作は4の直前の時代なだけに、ジェダイはひとりも出てこない。故にライトセーバーでのチャンバラはなし。と思わせといて、最後の数分間でダース・ベイダーのライトセーバーが炸裂。暗闇に光る赤いライトセーバー、これは圧巻というほかない描写。
 そして本当に4が続けて上映されるんじゃないかというくらいの流れで、エンディング。
 キャリー・フィッシャーさん急逝を悔やみつつ、エンディング直前に出てくるレイア姫、良くここまで再現できたな。

 全編においてスターウォーズへのリスペクトに満ちていて、キャラも画も音楽もきっちり作られていて、お約束の破り方も絶妙。そして何より、1977年に公開された初代作品の質まで高めてしまうという離れ業をやってのける。冒頭で書いたとおり、確かに最高傑作かも知れないな。
 これ、ディズニーが味を占めて外伝乱発にならなきゃいいけどという余計な心配まで頭をよぎるね。