株主の端くれでもあり、アフィリエイトもちまちまと貼ってのチラ裏ポジショントーク。
まずは「ニンテンドーラボ」発表時の感想。
クラフト系知育玩具という流行を抑え、超低コスト&大量生産可能な実現手段で、Switchの機能特性を存分に活用し、大作ラッシュが一段落した時期に発表、凄いな任天堂。 >> 速報:『あそびの発明』Nintendo Labo発表。工作キットと任天堂スイッチを合体 – Engadget 日本版 https://t.co/OXFt8TUeQD
— Yoshiyuki Ookawara (@y_ookawara) 2018年1月18日
「ニンテンドーラボ」は任天堂が開発・発売した携帯&据置の両用ゲーム機「スイッチ」と組み合わせて、知育玩具として遊ぶことのできる商品である。
ここから長めの前置きを。
そもそもスイッチについて、最初に発表されたときには、正直なところさほど興味は持っていなかった。
任天堂のゲームハードは遠い昔、小学生の頃にファミコンにハマったきり、それ以降はWiiや3DSも含めてたまに他人の計らいで遊ぶことはあっても買ったりハマったりすることはなかった。
心変わりして、やってみようと思ったのは「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が発売され、海外のメタスコアで高得点(リンク先音が出ます注意)を叩きだしたことが報じられてからである。
年代的に、ウィザードリィやウルティマといったところからゲームが好きになった経緯があるせいか、その後もどちらかと言えば海外ゲームのほうがしっくり楽しめる性分である。そのような嗜好ゆえに、海外のゲーム業界における評価については感覚が合っているような気がしている。
その海外評価のスタンダードであるメタスコアで歴代でもトップレベルの高得点を獲得したのみならず、日本のAmazon商品コメントにも、数々のゲームマニア達による、単なるゲーム評価コメントとは思えないような言いようのない衝撃とか感動を綴ったものが散見された。
これはやってみる選択肢しかないな、ということで、スイッチ本体の売り切れ続出で入手困難であるなか、転売から買うことを何とか回避し、任天堂ネット直売でハード・ソフトともども入手して、遊んでみたわけである。
はたして、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」は申し分のない出来映えであった。
このゲームの評価については既に様々な媒体で様々なものが出ており、ここでは細かく言及しないが、大雑把に短く言えば、オープンワールドという現代ゲームの潮流のひとつをこんなにも上手く料理しつつ、それでいてリアリティ至上主義ではない「ザ・任天堂のゲーム」という「らしさ」を見事に融合している、というところだろう。
そんななか、スプラトゥーン2やマリオオデッセイなどの大作が次々と発売されつつ、時は過ぎて、ニンテンドーラボの発表があった。
発表動画を観て、軽く衝撃を受けた。それが記事冒頭に引用した自己ツイートである。
これは売れるし、色々な可能性が広がる予感しかしなかった。
そしていま、ニンテンドーラボの発売後、発表のとき想像したとおりに、かつ、おそらくは任天堂の思惑通りに状況が推移しつつある。
何がすごいかを、列挙してみる。
・極力「大人が介入」せずに子供が「作り始める」ことのできる導入の気遣い
NintendoLabo,「工作はパパに任せろ!」と意気込んでたのに,ソフトの説明が親切すぎて,ほぼ7歳児だけで全部製作完了。この週末は童心に返る予定だったのに…。#NintendoLabo #ニンテンドーラボ pic.twitter.com/Q780OYCRZ4
— 高嶋秀行(Newton:ホーキング博士追悼特集) (@Takashima_Hidey) 2018年4月22日
「教員はこれ(ニンテンドーラボ)を一度はやってみた方がいい。説明の丁寧さ、分かりやすさが素晴らしい」(36歳兄)
「もう文部科学省より任天堂の方が教育のことを考えているんじゃないだろうか」(31歳弟) #ニンテンドーラボ— いっぺいじ (@isaac1page) 2018年4月22日
ニンテンドーラボの何が凄いかって?
小中学生のプログラムとかが全くわからない子でも画像みたいにどうやったらどうなるってのがわるようにしてあるから凄いんだよ!
だから発想力のある子が簡単に凄いものを作れるかもしれない可能性の塊がこのニンテンドーラボなんだよ!#ニンテンドーラボ pic.twitter.com/qnZTAuky5l— つりーふ[2Rёaf] (@turihu2) 2018年4月23日
・その結果、子供が「自分で作ることが出来た」喜びを体験できる。親をはじめ周りの大人達もその感動を共有する
#NintendoLABO #ニンテンドーラボ
何でもすぐ「出来ないから母ちゃんやって!」が口癖だった息子氏が、一生懸命工作して目キラキラさせて完成品見せにくる…
何この神教材…
これが4桁で買えるとかありえんよ…
泣けた( ;∀;)— ほうじ茶 花子 (@cRKJGjyEwdisEz6) 2018年4月21日
・子供達が大好きで、かつ主たる活動でもある「遊び」から「論理的な思考」「プログラミング的な思考」の一端を学ばせることができる。まさに現代の潮流の王道、直球ど真ん中の知育玩具である
これがニンテンドーラボの正体ですよ。これを幼稚園児や小学生が手にして遊び始めてるんだから、末恐ろしい…じゃなくて、将来がめっちゃ楽しみになりません? pic.twitter.com/FGnc94N7T6
— jun (@jun758) 2018年4月22日
子供をプログラミング教室に通わせようとしてる親御さんはその授業料でニンテンドーラボ買ってあげなさい
プログラミングでよく使う思考
AならばB BならばC → つまりAならばCがてんこ盛り— Shu※@春M3:L-04a (@kihanmoto) 2018年4月24日
#NintendoLABO #ニンテンドーラボ
inputとoutputの概念とか、AND・ORの論理回路の考え方とか、工学の基本に小学生から触れられるとかホントもう素晴らしすぎて称賛しか出てこない!
コレ1つあれば小学生のプログラミング教育は充分なんじゃなかろうか。 pic.twitter.com/c1piZzNkQW— ほうじ茶 花子 (@cRKJGjyEwdisEz6) 2018年4月22日
ニンテンドーラボ、作って遊んだあと「わかる」を見るとジャイロのひねられ具合を可視化してくれたり、全部見たらメダルをゲット出来たり、クイズに全問正解したらさらにメダルが出たりと、新しいものづくり教育のあり方を提示している感じがある。素晴らしい。
— nishio hirokazu (@nishio) 2018年4月23日
・作ってみたものをSNSで見せる行為を通じて、共感の輪が拡がったり、「それなら自分はこうしてみよう」といった気づきや閃きの拡がり、共鳴のような事象が起きる(事象を起こす)
こんな遊び方もできるのか!
ティロロティロリロリ~♪ ドアの解錠時にゼルダの“謎解き音”が鳴る ニンテンドーラボのナイスな応用例 https://t.co/moFtpr2rnx pic.twitter.com/RX2IfDzdmE
— ねとらぼ (@itm_nlab) 2018年4月24日
叩くとコインを手に入れた気分になれるブロックをつくりました。#NintendoLabo #ニンテンドーラボ pic.twitter.com/fbzYcH38Yy
— さかぐちとうや (@skg_ty) 2018年4月23日
Twitterにおける #NintendoLabo や #ニンテンドーラボ には全世界で「作ってみた」動画や画像が流れてくる。
「作る」「遊ぶ」「学ぶ」「見せる」そして「自分で独自に改造する」といったおよそ知育に必要な基本要素を全て兼ね備えたうえに、SNS時代に完璧にマッチした「動き」や「見た目」で楽しめるという要素までも持ち、主な原材料は子供が遊ぶのにも大量生産にも適したダンボールである。
そして、さらに驚いたのはこれである。
通知メッセージひとつで楽しさと感動を与える任天堂。人々の生活に遊びを溶け込ませるには何が必要なのか、派手なエフェクトとか、綺麗な画面とか、その前にやれることが沢山あると。UIデザインにおける良い手本のひとつ。 https://t.co/fwy3HxxGpm
— Yoshiyuki Ookawara (@y_ookawara) 2018年4月25日
まさにこれこそ任天堂「らしさ」だろう。神は細部にもしっかりと宿っている。
当然ながら、モチベーションを継続する仕掛けも用意されている。
Submit your unique #NintendoLabo creations for a chance to win prizes! Learn more about the sweepstakes and guidelines here: https://t.co/ndJsSMkZta pic.twitter.com/4N6RJ7WfbS
— Nintendo of America (@NintendoAmerica) 2018年4月23日
いずれ日本や他の国でもこうした関連イベントが頻繁に行われるだろう。
今後、第二弾、第三弾というふうに視点の違った応用商品を打ち出してくることも予想できる。
冒頭の「ゼルダ」は書いたとおり素晴らしいゲームである。
しかしその素晴らしさはあくまで従来型の「ゲーム機で遊ぶゲームソフトウェア」としての素晴らしさである。
ニンテンドーラボによって、スイッチはもう従来型の単なるゲーム機ではなく、ゲーム機にもなる別の「何か」というべきものになった。
任天堂の底力をまざまざに見せつけられたというほかない。