「tsudaる」で有名な、最近は「メディア・アクティビスト」と名乗っているらしい津田さんの新刊。
一言で言うと、アーティストの自叙伝っぽいですね。ページにまで青い紙を使った装丁も洒落ているし。 アートっていうと普通は、音楽とか絵画とか彫刻・工芸の類が思い浮かぶんだけど、コンテンツをネット上で巧みに取捨選択して加工編集しつつ、時には自ら情報そのものや議題・観点を創出しながら、情報の新しい見方・読み方を提示したり、共感を増幅させるってのは、まさしくアーティストだと思うんですよ。 津田さんのやってること(やってきたこと)は、一種の現代アートなんじゃないかなと。メディア・アクティビストっていう肩書きも、ハイパーメディアクリエイターよりは響きは良いけど、インフォメーション・アーティストっていう感じですね個人的な感想は。 そう考えると、他のネット著名人と比較して彼に熱狂的フォロワーが多そうなのも、また彼自身の行動が割と直感的に見えるのも、腑に落ちてきます。(見え方はあくまで自分の主観ですが) 本の内容は、学生時代の新聞部っていうルーツから、ナタリー(http://natalie.mu/)創設に関わった話や、ナップスターに出会ってソーシャルに目覚めた話、そして最近のTwitterへのコミットや、震災を境にしたソーシャルキャピタル的な支援活動への積極的関与など、津田さんがなぜ今の津田さんになったのか?が当時の時代背景なんかも懐かしく振り返りながら読み解けます。 ビートルズやストーンズを通してロックというモノを理解し、YMOを通してテクノというものを理解してきたように、津田大介の活動・表現を通じてソーシャルを理解するという、大げさに言えば一般大衆に向けた「ソーシャル・アイコン」に徐々に近づいているように、見えなくもないです。こういう人が50人、100人と出てくると、きっとソーシャル時代の幕開けがくるんでしょうね。 細かいところでは、若い頃「宝島」が好きだったっていうのがモロ共感ですね。あの頃の雑誌って、自分も若かったからかも知れないが、刺激に満ちたワンダーランドだったような気がしますね。(バリバリ思い出補正入ってます) 何はともあれ、ソーシャル的な要素が重要になってきた昨今のネット界隈で生きていく際には、読んでおいたほうが良いのは間違いないですね。 |
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情報の呼吸法 (アイデアインク) [単行本(ソフトカバー)] 津田 大介 (著) 単行本(ソフトカバー): 168ページ 出版社: 朝日出版社 発売日: 2012/1/10 ISBN-10: 4255006210 ISBN-13: 978-4255006215 |
Monthly Archives: 1月 2012
Jump Bug
小学校のころに、駄菓子屋に行くと必ずやっていたゲーム。なぜか全国的に?駄菓子屋への配備率が高いようだ。
50円でお湯を入れて食べるベビースターラーメンの出来損ないみたいなお菓子と、このゲームで夕方まで狭い駄菓子屋に入り浸っていた。ああ、書いていると思い出してきて、懐かしい。
1981年。”ワーゲンの不思議な冒険への旅”がゲームのキャッチコピーで、まさにその通りの内容なのだ。
不思議な冒険度合いで言えば、ジョジョか?このゲームか?というくらいぶっ飛んでいる。
だって、ワーゲンが飛ぶんですよ?さらに、ミサイルみたいなのを発射して、火星人やドクロみたいな荒唐無稽な敵キャラを撃退しながら進むんですよ?ワーゲンが。
ビルのうえにドル袋が置いてあるのも良く考えたら意味不明だし。
このゲームの最大の特徴は、その多彩で「不思議な」ステージにある。
途中で、火山帯があったり、ピラミッドの中に入っていったり、水中ステージがあったり、果ては宇宙空間に行ったりと、当時のゲームにしては、その多彩でシュールなステージ演出がすばらしくて、もう小学生くらいだったら早く先が観たくて、ワクワクしながらハマりまくったものだった。
そして、もうひとつの特徴は、ジャンプの上下に慣性というか、逆重力みたいな力が微妙に作用していて、制動がとりづらくなっているところ。
これがジェット機やロケットみたいな自キャラだったら、上下左右動かし放題なんだろうけど、この不思議な慣性が働いているところがゲーム性をあげるポイントのような気がする。
ともかく、今やっても面白い。25年前のゲームなのに。
それはつまり、25年前からあんまり進歩していない自分…って気もするのだが、良いゲームというのは時代を超えていくと信じたい。