ドコモが2.0とか言いながら2in1とか体感ゲームとか訳の分からない悪あがきをやっている間に、auはある意味「正しそうな」進化を遂げていた。

 KDDIは7月30日、au携帯の「EZweb」ポータルおよびPC向けのインターネット接続サービス「DION」ポータル、PC向けの携帯情報サイト「DUOGATE」を統合し、携帯とPCを一体化したポータルサイト「au one」を2007年9月下旬に開始すると発表した。
 この新たなポータルサイトで、au携帯およびPCともに同一のメニューをビジュアルとともに表示し、視覚的かつ操作的にも容易にアクセスできる統合サイトを目指す。
 GoogleのGmail技術を活用した、容量2Gバイトの「au one メール」や、フリー百科事典“Wikipedia®”の情報をベースにしたダウンロード型コンテンツ、ニュースやブログ、SNSなどの情報を1つのキーワードから幅広く検索できる「au one キーワード」などの機能を設け、天気や乗り換え案内など日々利用するツール類や音楽、ゲームなどのエンタテインメント系コンテンツ、ショッピングモールやオークションなどのECコンテンツなどを用意する。
 またポータルブランドの統合に合わせて、同社インターネット接続サービス「DION」を「au one net」に変更。ポータルサイトやインターネット接続サービスともに「au」ブランドを冠し、携帯サービスのみに留まらず、同社のインターネットサービス全体のブランドとして展開していく考え。
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KDDI、統合ポータル「au one」開始──DIONも「au」ブランドに変更(2007年07月30日 +D Mobile)

 文字数や、閲覧可能な添付ファイルの種類の制限が少ない現代の携帯では、PCメールとの融合は十分できる下地があったし、待ち望まれた機能であったと思う。
 一時期、会社のメールを携帯に転送している同僚がかなりの人数存在していた(現在は社内ルールにより禁止されたが)。
 じっさい、1アカウントでPCでも携帯でも閲覧できるメールというのは、かなり使える。しかもそれがGmailベースであれば、スパム対策も実績十分。

 ただ、携帯メールを一番多く使ってそうな若者や主婦などのユーザ層にしてみたら、携帯メール「だけ」で十分、PCメールはたまにしか使わないし!というケースが多いのではないか?という疑問もよぎる。

 「今後、au one メールでは、PCによる絵文字作成機能や、EZメールの全ての送受信メールをau one メールに自動保存する機能などを搭載して、機種変更しても一生分のメールが保存できる「100年メール」を目指すとしている」らしい。
 一生1アカウント、っていうのは利用者に受けそうなキャッチコピーではあるが・・・

私自身も、フルブラウザ関連の苦悩や課金モデルについては過去に注目していましたが、メール先行はちょっと予想外でした。
ですが、いわれてみれば、メールのPC/Gmail統合は少なくともKDDIにとってみれば、失うものは少なく得るものはかなり大きいですね。

auOneの衝撃(2007年07月30日 五反田ではたらけ!五反田社長の日記

 うーん、確かに。KDDIにとっては奇をてらったというよりも、コストパフォーマンス的に合理的な戦略をとった結果なのだろう。
 果してこのインパクトをモノにできるのか、興味はつきない。

 そういや、Google Mapsとの連携は今どうなっているのだろうか。(auユーザではないこともあり、最新状況に明るくない)
 au oneの統合サイト上で、Google Maps上に登録した携帯の位置情報が表示される・・・なんて外回り社員を多く抱える企業部署には受けるだろうな(従業員にとっては監視社会の幕開けだが)。

 しかしLivedoorの一件といい、Gmail(というかGoogle)おそるべし。

乗降客数世界一を誇る新宿駅の臨時案内表示における、知られざる「おもてなし」の心。最初は誰に命令されたわけでもなく「乗換客が困らないように」と工事警備員さんが始めたそうな。This is 「心」だね。

なにせ相手はリアルに百万人規模の、目的を持った忙しい人たちだ。コーヒー片手にネットサーフィンしてフラフラと訪問してきたユーザとは、わけが違う。瞬時にユーザの目的を満足するには、見やすさ、わかりやすさが最重要である。

アニメーションもない。奇抜なレイアウトもない。そこに要求されるのは、ただひたすらに実用性のみ。しかし遊び心やこだわりも忘れない。
これは、我々システム屋のUIデザインに通ずるものがある。


この案内表示を作成した人は新宿から日暮里に異動したそうな。で、日暮里でもフツーに請け負ってるらしい。日暮里版は映像最後にチラと出てくるが、もはやアートの世界に突入している。

映像、音声、構成、編集もよい。製作者のトリオフォーは、結構有名な集団みたいですね。

ガムテープによる独特なフォント「修悦体」(2007年07月18日 スラッシュドットジャパン)

でもこのトリオフォーがいわゆる「素人」だと仮定すると、製作者も出演者も全て素人、そして映像配信はタダ。
YouTubeをテレビ局があれほど嫌がったのも無理はないな。

テレビ局は、システム屋と似た構造を感じる。市場の支配者に薄利でこき使われている制作者達が、こぞって重層下請ピラミッドから離れて、独自に映像作品を作り始めたら、そしてそれを収益還元できるモデルができたら・・・

例えば、米国の音楽アーティストであるプリンスは、自アルバムは無料で配布&配信し、ライブにきてもらってそこで稼ぐモデルにシフトしている。
それに習って、何らかの有料イベント企画開催か。なかなか収入安定は難しそうだ。

はたまた、タダで配信するコンテンツに何らかのプレミアムをつけて販売するか。タダのコンテンツと有料のコンテンツをそもそもわけるという手もあるが、それはそれができるだけのコンテンツを持っている必要がある。

いずれにせよ大手に飲み込まれたりしたらつまらないので、こうしたインディペンデント的なクリエイター達にはぜひ収益をあげてもらって、続けてもらいたい。