また野球の季節が到来した。プロ野球オープン戦が始まった。
ホークスはタイガースを本拠地に迎えての2連戦から開始となった。
7人の選手が侍ジャパン強化試合に招集され、デスパイネ選手合流前、内川選手は大事をとって欠場と、主力がごっそりいないなか、新戦力を含め控え選手達のサバイバル模様を観るという醍醐味を満喫すべく、初日ということもあって観戦に赴いたわけである。
今年は球場自体もいくつか改修があって、まず目立つのはネット裏天井ビジョンの拡張である。昨年までのビジョンもないよりは嬉しかったのだが、外野席からは画面サイズが今一つだった。画面サイズが拡張され、かなり見やすいものになっている。こういうお金の掛け方はファンにとって嬉しい。
また、座席に関しては、鷹ガールシートがソファ席になった。ヤフオク!ドームは女性客が多いので、これも女性ファンのためのプレミアムシートとして、野球観戦女子会がはかどることだろう。
そしてなんといっても、この日は、なんとスタジアムグルメが食べ放題。自分としては純粋に野球観戦できればよかったので食べ放題は不要どころか、売店にお客が殺到して大変なことになるだろうと危惧していたが、案の定、地獄絵図となった。
売店には軒並み長蛇の列ができ、コンコースは人であふれかえって移動もままならない。ケンタッキーのレベルで1時間以上の行列である。あげくまだ5回にも満たない時間帯なのに売店によっては売り切れ閉店。もはや野球を観に来たのか食べ放題に来たのかと言われれば食べ放題に来ましたと断言するレベルである。
もっとも腹立たしいのは、座席通路を往来する売り子の「おつまみ販売」もなかったことだ。食べ放題との整合性を気にしたのであろうが、グルメ食べ放題には興味がなく、ビールとつまみ程度で純粋に野球観戦したい客にとっては、大迷惑な企画であった。
もしかすると、ふだん事実上ビンカン以外の飲食持ち込みがスルーされている現状で、それをもっと厳しく禁止した場合にどの程度スタジアムグルメのキャパが必要なのか見極めたかったのだろうか、とか深読みをしてみるのだが、純粋にオープン戦初日(シーズンスタート)の認知度を上げたいだけだったとしたら、もはや地元福岡では知名度など気にする必要がないレベルだし、逆に福岡以外からオープン戦初日に来る客は食べ放題など関係ないガチファンが主体である。
今回は、ガチファンは食事難民化して呆れかえり、食べ放題に惹かれてきたライトファンや新規客は大行列で野球観戦そっちのけ、売店は火の車で疲れ果てるという、まさに誰も得をしない結果となった。
無料という言葉の暗黒面、凄まじいものがある。せめて、まずは全品半額くらいで試せなかったのだろうか?
親会社もスーパーフライデーで物議を呼んでいるが、こうなることは予想していたはずだ。いったい何が狙いだったのか?聞けるなら聞いてみたい。
個人的には、ファンクラブ会員ならば全品半額(もちろん当日加入会員も)、ビジターファンクラブ会員も半額、そしてビジターファンクラブ新規受付も実施、とかだったら、自チームのファンクラブ会員も増え、相手チームファンからも称賛され、売店行列も(おそらく無料よりは)緩和され、多くの人がほどよくお得感を味わえる、良い企画になったような気がするのだが。
あと現地観戦で地味に困ったのはゴミ箱の場所が大幅に減らされていたことだ。そのせいか、そこかしこにゴミが散乱していた。
【拡散希望】今日だけなのか今年からなのか知りませんが、ドーム内のゴミ箱が撤去され、旧喫煙所のところにまとめてもうけられています。ゴミ箱変更のアナウンスは全くされていません。
そのため、ドーム内にゴミの山が出来上がっています。
ホークス球団は責任持ってきちんと対処願います#sbhawks pic.twitter.com/z6VCuUsxPu— TOMO (@h_tomo0925) 2018年3月3日
昨年はゴミ箱設置を増やしたことをアピールしていたが、それでも、もっと置いても良いかなと感じたくらいなので、昨年よりも減らすという策はあり得ない。ゴミ箱のリフレッシュが大変なのは分かるが、むしろ他球場のように回の合間にゴミ袋を持って座席通路をまわるとかしたほうが、結果的にゴミの放置が減り試合後の清掃負担が減るのではないか?
とまあ色々と不具合が目に付くシーズンスタートデーではあるが、親会社のフットワークを鑑みると、試してみてまずかったことは素早く改善してくれることだろう。そこはファン目線で信じたいところだ。
肝心の試合内容で目立ったのは、バンデンハーク投手の出来が素晴らしかったのと、いわゆるホークス二塁手競争が狙い通りチーム活性化につながりそうなのと、サファテ投手の相変わらずの投げたがり気質が感じられたところだろうか。
個人的には、遊撃手も競争にして今宮選手の更なるレベルアップを促して文字通りNPB最高の遊撃手を目指してほしい、三塁手と一塁手も適度に交代を入れながら、松田選手と内川選手に怪我や絶不調なくシーズンを乗り切ってほしいし後継者の育成も始めてほしい、ということで内野は全部競争枠扱いにしてほしい気もする。
いっぽう外野手の競争枠は、柳田選手、中村晃選手は固定だろうから競争はほぼ1枠のみなのだが、上林選手以外で誰が台頭するかがポイントだ。真砂選手、今年ブレイクしてほしいなあ。
今シーズンは球団創設80周年ということでいろいろな記念企画が目白押しである。ノムさんも南海ホークス時代のあれこれでホークスとはちょっとした距離感があったが、最近は頻繁にゲスト招聘されるようになって、ホークス現在過去未来の地続き感を実感できるシーズンになりそうなので、ベテラン奮起、若手の台頭をうまいことミックスして、また秋においしい酒が飲めることを期待したい。
スポナビ結果
2018-03-16 追記:
食べ放題企画については、さすがに類似の苦情が多かったのだろう。
球団から詫び文つきのアンケートメールが送られてきたので、本blogに書いたこと+αを回答した。
そしたら、アンケート回答者に平日のペアチケット招待とのことらしい。
このスピード感、サービス精神は良いと思うのだが、それだけに、安易な企画を通してしまったこと自体が悔やまれる。
プロ野球を盛り上げるという観点では、いろいろ新しい挑戦や試行錯誤をどんどんするべきだとは思うのだが、いっぽうで万人単位の客を相手にしているわけであるし、そこに謙虚さや思慮深さというような視点が必要であろう。そうした視点を失っていくと、終わりの始まりにつながりかねないとさえ思っている。
練習からアマチュアの手本になるようなチームを目指すという、かつてOB小久保氏から語られたチーム哲学があるが、プレイそのものに加え、球団経営やスタジアム運営についても、他球団の手本になるようなホークスであってほしい。