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arrival いま旬のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作。鑑賞した過去作「ボーダーライン」とは打って変わって、サイエンスフィクション。「ボーダーライン」のときも書いたが、この監督はSF映画の名作「ブレードランナー」の続編「ブレードランナー2049」を撮ることになっており、その出来映えが気になる自分としては、本作を通じて期待値を推し量ろうというつもりで鑑賞したが、期待は大きくは膨らまなかったものの裏切らないであろうといった感想の、良作であった。

 ドンパチや派手なアクションのないSF映画ということで観る人を選ぶ作品ではある。
 なぜか「インターステラー」を思い出した。舞台設定、画作り、場面進行など全く違うのだが。時間というものの捉え方がテーマのひとつになっているところが、そう思わせたのかも知れない。

 アートワークと音楽がけっこう良くて、特にUFOの質感とか、例の文字とか、禅の影響を見いだせるような東洋的センスを感じて、これはブレードランナーでの画作りでも期待できるなと思わせた。

 この映画は「あなたの人生の物語」という、ネビュラ賞までとった原作(じっさいは左記の本は短編集で、原作はそのなかのひとつ)があるのだが、自分は未読である。ネット上にある感想を読むと、泣けるとのこと。本作は原作とはかなり違っているとの意見も多々ありつつ、ラストはうるっとくるものがある。

 エイミー・アダムス演じる主人公が最後のほうは英語で話しかけてたとか、いくら言語が思考を決定づけるとしても異星人の言葉を理解しただけであのような能力が身につくのか、とか、細かいことを気にすると色々あるのだが、それを補って余りある、ラストシーンで抱擁するときのなんとも言えない表情は感情移入させるものがあり、それまで張りまくった伏線も全てここに収束する。演技も撮り方も、上手いね。

 この監督、ネットで読んだインタビューで、好きな(SF)映画に「未知との遭遇」「2001年宇宙の旅」そして「ブレードランナー」をあげている。

 なるほど、この映画を撮りたかったわけだし、上手く撮れるわけだよ。

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 通常スクリーン(字幕)とIMAX 3D(字幕)で鑑賞。ナンバリングではなく外伝だが、一部ではスターウォーズ史上最高傑作という声もある今作。観た感想としては「そうかも」。そしてほぼ確実にエピソード4~6をまた観たくなる、特にエピソード4は今作によって面白さが増したどころか、物語の深みまで増してしまった。

 いつものルーカスフィルムロゴから「Long time ago…(遠い昔遥か彼方の銀河系で)」で映画は始まるのだが、そのあとすぐに流れるタイトル&オープニングテーマとテロップが流れるところはなし。暫く導入部の物語が進んだ後、主人公ジン・アーソの育ての親となる、ソウ・ゲレラの印象的な台詞に続いてタイトル&オープニングテーマ。外伝だから意図的にパターンを変えたんだろうね。スターウォーズらしくないのだが、自分的にはこの始まり方は好きだな。それにしても今作は、音楽がとても良い。

登場キャラ・・・ほぼ全員かなりキャラが立っていて、いいね。個人的には孤高の反乱軍戦士ソウ・ゲレラと帝国軍脱走パイロットのボーディー・ルックを掘り下げるエピソードがもう少しだけほしかったところだが。

登場メカ・・・文句なし。エピソード4~6のあの直線的フォルム&モノトーンなメカ達が大好きで、1~3のカラフルな感じにちょっと違和感があっただけに、7が公開されたときに4~6の流れを汲むメカを観て少し溜飲を下げることができて良かったのだが、今回は4の直前の物語ということで、4~6で出てきたメカがこれでもかという位そろい踏みで、特にAT-AT大好きっ子としては、戦闘の最中に、盲目のチアルートが振動音で何らか驚異を感じて色めき立ち、その後にドーンと足が出てくる登場シーンはちょっと鳥肌ものであった。

ストーリー・・・素晴らしい4へのつなぎ。4でなぜデス・スターがあんなチンケな弱点を抱えていたのかというご都合主義までちゃんと説明つくようにしているところが素晴らしい。
 今作は4の直前の時代なだけに、ジェダイはひとりも出てこない。故にライトセーバーでのチャンバラはなし。と思わせといて、最後の数分間でダース・ベイダーのライトセーバーが炸裂。暗闇に光る赤いライトセーバー、これは圧巻というほかない描写。
 そして本当に4が続けて上映されるんじゃないかというくらいの流れで、エンディング。
 キャリー・フィッシャーさん急逝を悔やみつつ、エンディング直前に出てくるレイア姫、良くここまで再現できたな。

 全編においてスターウォーズへのリスペクトに満ちていて、キャラも画も音楽もきっちり作られていて、お約束の破り方も絶妙。そして何より、1977年に公開された初代作品の質まで高めてしまうという離れ業をやってのける。冒頭で書いたとおり、確かに最高傑作かも知れないな。
 これ、ディズニーが味を占めて外伝乱発にならなきゃいいけどという余計な心配まで頭をよぎるね。

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 スーパーメガヒット中の「君の名は。」は未鑑賞だが、こちらもだいぶ話題になっているので、今更ながら。
 後半、すすり泣く観客の方があちこちに。自分はそこまではいかずとも、心に刺さる良い映画であった。

 まず映像と音。絵を描くのが好きな主人公なのだが、その主人公が見た景色を絵本や絵画のように実際の情景に混ぜ合わせるアニメならではの映像表現が素晴らしい。そして音も、静から動の切り替えの妙か、そもそも音自体が良いのか、臨場感がすごい。空襲のシーンは正直なところほんとにビビる。

 つぎに演出。これがこの映画のキモだと思うのだが、なんて言うか、湿度と温度がまさに「普通」なのである。「ほらここが泣き所ですよ」的な演出はなく、登場人物も個性豊かではあるものの、不自然に熱かったり冷たかったりはしない。また戦争を描く映画だと、人々の戦う場面はもとより悲鳴とか怒号とか憤怒の応酬みたいなものが少なからず描かれることが多いわけだが、この映画はいわゆるそういう分かりやすい演出は極めて少ない。だからかえって感情移入しちゃう。

 あとこの映画の話題のひとつである声優「のん」さん、ネット上の皆さんの評価通り、まさにハマり役だね。この声優があってこそ、この映画がここまで仕上がったと言える。

 エンドロールを観ながら、ふと思ったことは、これは現代の「まんが日本昔話」なのかも知れないなと。日常の泣き笑いと、この映画の場合は戦争という非日常を、淡々と描きつつ、変なイデオロギーや教条を押しつけるわけでもなく話はいったん終わるんだけど、心にはずっと引っかかって、じわじわと深まる感じ。自分の行動や判断の基準のひとつに、じんわりと組み込まれていく感じ。
 画風とか絵の動かし方もちょっと似てるしね。

 小学生くらいのお子さんがいたら、たとえ本人がすべてを理解できなくても一緒に観たら良いと思う。少なくとも、学校の教科書が教える戦争よりは、ずっと深く刺さるだろう。