ノマドチックな仕事がら、喫茶店に長居することも多く、スターバックスの類も良く利用するのであるが、どちらかというと昔ながらの、ノートパソコンを広げることに躊躇するような、コテコテな喫茶店の利用度が高くなってきた昨今である。
そこで、いわゆる昔ながらの喫茶店を「東京ふつうの喫茶店」よろしく、不定期に記していこうと思う。
実は泉麻人のファンでもあり。東京育ちなこともあって、街歩きが好きで、ちょっとB級なモノやレトロなモノ、街並みが好きだ。
第一回は、内神田にある「珈琲家 赤レンガ」を選択。 (食べログ、Kanda.net)
神田駅から徒歩3~4分、大手町駅から徒歩7~8分。丸の内線の大手町駅からであれば5分かからない感じの位置にある、ちょっと古めの小規模オフィスビルが立ち並ぶ路地に、ひっそりとある。
ぱっと見、観葉植物で覆われた店構えの奥に見える店内はかなり照明が暗めで、けっこう入りづらい感じではあるが、外からチラ見するにお洒落で調度の良さそうな空間が期待できる。
鎌倉橋店、らしいのだが、他に店舗があるかどうかは不明だ。というか、たぶんないような気がする。
きっと、昔は他店舗もあったが、時代に押されて、唯一、この神田という街に店が残った。時代の波を「神田勤務のおっさん」パワーが消波ブロックのように守ってきたのが、この店なんだろう、という解釈を勝手にしちゃうくらいの、ひっそり度である。
鎌倉橋店だけあって、すぐ近くには鎌倉橋がある。
大手町から赤レンガを目指すと渡ることになる、気持ちいいくらい品のない首都高速道路にフタされた日本橋川に架かる橋、である。
なぜ東京なのに鎌倉?っていうところだが「名前の由来は、江戸城を築くときに鎌倉から石材をここの河岸(内神田寄り)に陸揚げしたので、この河岸を鎌倉河岸と呼んだことによります。(千代田区観光協会)」ということらしい。
店内はさほど広くはないが四角い形で、真ん中に暖炉を模した新聞・雑誌置き場があって、店内の落ち着いた雰囲気をさらに印象的にしている。
読書にふけるにはちょっと照明が暗すぎるきらいはあるが、視覚的には非常に好みな店内である。
2012年9月時点での、朝のメニューは、こんな感じである。
裏に各種珈琲のメニューがあったと思うのだが、写真を撮り忘れた。だいたい400円前後の、非常に良心的な価格である。
非常にどうでも良いことではあるのだが、
このメニュー自体の見た目が、折角の小洒落た店の雰囲気とアンマッチで、心持ち残念な気がしつつも、逆にこれを完璧なレトロで演出されてしまうと、これまた濃すぎて気軽さがなくなってしまうような、ちょっとした「コダワリ思考迷路」な感はある。
重々、どうでも良いことではあるが。
オーダーは、10時前なら迷わずモーニング一択。ドッグにも惹かれるが、やはりモーニングと言えば王道ということで、トースト+ジャムで行くことにする。
トースト&コーヒー400円、ジャムは別途20円で、420円也。
トーストは厚めの四つ切りで非常に柔らかい。薄めカタメがベストな自分としては次善ではあるが、ジャムは小皿にたっぷりで嬉しい。
コーヒーは大人しい味わい。
卵ではなくバナナが付属。これはコーヒーにも合っていて、旨い。
大手町の至近距離にある、街全体が大人の隠れ家チックな内神田の、さらに隠れ家。都会のオアシスである。